おしえて、センパイ! 小説家/エッセイスト  中村うさぎセンパイ

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7人に頼ったらいけない、なんてことはない

女子プロ こういう人間が、いちばん素晴らしいなと思う人って、いますか。
中村 天然の女の人は好きだけど、リスペクトはしてないな(笑)。
やっぱり自由な人は羨ましいですね。いろんな偏見から解放されちゃってる人になりたいですね。
最近、『ゲイとシングルマザーの交流会』っていうのを、ゲイの人と、やろうとしてるんです。行政がシングルマザーを救わないんだったら、民間人同士で、助け合う輪を作ろうと。ゲイはゲイで、子供が欲しいのに作れないから、家庭を作れないので、年をとった時に、深く孤独に直面してしまう人もいるんです。
家族制度っていうのは、ノンケの女と男が、セックスして子供を産んで成立する前提で作られているから、そこからはみ出る人を国は救わないので。マイノリティ同士でお互いに支え合うことが出来るといいな、と思ってるんです。
そのことをツイッターで書いたら、秋川リサさんが、『自分はかつてシングルマザーで、現在は子育ても終わってるけど、何か手伝えることがあれば』ってリプライしてくれたんですよ。
女子プロ 秋川さんって、『anan』の創刊時、トップモデルだった方ですよね。
中村 あの方って、ハーフでシングルマザーで、いまはお母さんの介護をされているんですよね。でもツイッターでは、介護を、明るくあっけらかんと面白く書いてて。犬の散歩をしたままお母さんが徘徊しちゃって、犬とお母さん両方がいなくなっちゃったー! とか(笑)。そういう、苦労してきたことを苦労と思わないようにして、飄々としてるのって、自由なんだろうなあと思うの。憧れますね。
秋川さん、子供が小さい時、『ママの周りには、どうして、おばちゃんみたいなおじちゃんと、おじちゃんみたいなおばちゃんがいるの?』って訊かれたんだって。ファッション業界だから、ゲイが多かったんでしょうね。でも、子供がいろいろな男や女がいることを知って、ジェンダーレスな環境で育つのって、いいことだと思うの。性別で生きにくいっていうのが、とっぱらわれていくといいな、と思うんです。
「『ゲイとシングルマザーの交流会』を、やろうとしているんです」「自分の行動に障害を持たせず、バリアフリーで、自由でありたいんです」

「『ゲイとシングルマザーの交流会』を、やろうとしているんです」
「自分の行動に障害を持たせず、バリアフリーで、自由でありたいんです」

女子プロ 今後は社会活動をやっていこう、ということですか。
中村 昔はそんな気、全然なかったんですよ。
若い頃は自分のためだけに生きてきたんですよ。特に最初に離婚した時は、自分で自分を食わしていかなきゃいけないと思って、本当に自分のために必至で。 でもある程度の年齢になると、自分のためだけに生きることが、楽しくなくなっちゃうんだよね。『誰かのために生きたい』っていう考えとか、『ケッ』と思ってたんだけど、ババアになったら、そういう青臭い動機とか、口に出してもいいかなと思うようになったんです。自分が大人ぶって言わなかったことを、排除していってる感じですね。
いまの夫の存在もありますね(うさぎさんはゲイ男性と結婚されている)。一緒に暮らしてると、一人では生きていけないな、と思うんですよ。
あと、障害者の人と仕事を通じて知り合ったことも、大きいです。彼らは誰かに助けてもらわないと、生きていけないわけですよ。でも卑屈になるわけでもなく、処世術を身につけていて。車椅子の人が言ってたんだけど、街で便意が起こったら、トイレに連れてってくれと、通行人に頼むんだけど、断られる場合が多いから、そうならないように、カップルに頼むらしいんですよ。
女子プロ あー!
中村 カップルの男の子に頼んだら、彼女の前では、断らないでしょ。
女子プロ なるほど、本当に処世術ですね。
中村 そういうアッケラカンとした話をきいて、私は五体満足だけど、一人で生きなきゃいけないことはないんだな、と思ったんですよ。『人に助けてもらうなんて、死んだほうがマシ』って思ってた昔の自分って、傲慢だなって。
一人で生きることに誇りを持つのはいいと思いますよ。でも、一人で生きていくことに誇りを持ちながらも、一人で生きていけない人の生き方も尊重し、そしていつか、自分が誰かを頼っても救ってもいいっていう選択も出来る、そういうバリアフリーな、自由度が欲しいなと思うんです。
自分の思い込みで、障害を作ってしまっていると、思うんですよ。そういうのを、なくしたいですね。

8「東京女子の幸せのタネ」・・・中村うさぎセンパイのアイデアは?

女子プロ うさぎさんが考える、東京ならではの、好きな部分があったら教えていただきたいのですが。
中村 東京の中でも、新宿ってすごいと思うんですよ。日本で唯一だと思うんだけど、徒歩県内に、二丁目と、ゴールデン街と、歌舞伎町があるじゃない。
女子プロ 伊勢丹もありますよね。
中村 そうそう。全く文化の違うもの、価値観が違うものが、狭い範囲にあって、共存して許してるっていうのは、本当にすごいよね。東京にしかないものだと思いますよ。カオスこそ東京なので、整理しようとしてる都知事は、その価値を分かってないと思いますね。
女子プロ では最後に、東京でがんばっている女子たちに、メッセージをいただければと思うんですが...。
女子たちがもっと幸せになるために、こんなのあったらいいなあとか、これが大切とか、何かアイデアやお言葉をいただけないでしょうか。
中村 ええ、なんだろう。東京の女の子ねえ、難しいなあ。......長い文章になってもいい?
女子プロ 大丈夫です!
「ええと......。」数分間、悩んでくださいました。「全然思いつかないなあ。考えておけば良かったなあ」

「ええと......。」数分間、悩んでくださいました。「全然思いつかないなあ。考えておけば良かったなあ」

悩みながら、キュキュキューッとマジックで書いてくださいました。

悩みながら、キュキュキューッとマジックで書いてくださいました。

「女である自分も、女でない自分も、楽しみましょう!」私たちも、ジェンダーや年齢を超えて、人間として、自由に生きていきたいです、うさぎ先生!

「女である自分も、女でない自分も、楽しみましょう!」 私たちも、ジェンダーや年齢を超えて、人間として、自由に生きていきたいです、うさぎ先生!

BAR HIDE
今回取材に協力して下さったお店
BAR HIDE
新宿区歌舞伎町1-1-10
TEL:03-3208-6631
mon-sat 20:00〜5:00(L.O)
sun 20:00〜2:00
新宿はゴールデン街の花園神社真後ろにあるBar。細い階段を上ると美味しいお酒にたどり着ける、そんなお店で対談させていただきました!
中村うさぎセンパイ プロフィール
中村うさぎセンパイ

1958年生まれ。福岡県出身。同志社大学英文科卒業後、OL、コピーライター、ゲーム誌のライターを経て、ジュニア向けファンタジー小説家としてデビュー。『ゴクドーくん漫遊記』がベストセラーになる。その後、壮絶な買い物依存症やホストクラブ通いなどの浪費を赤裸々に綴ったエッセイシリーズが大ヒット。さらに美容整形、デリヘル嬢の経験を通して、「女」であることは何なのか、また「自意識」をテーマにした作品も多い。『私という病』(新潮社)、『こんな私(わたし)が大嫌い! よりみちパン!セ』(理論社)、『狂人失格』(太田出版)など。最新刊は「週刊文春」での連載をまとめた『閉経の逆襲--ババア・ウォーズ 2』(文藝春秋)。

取材後記
取材後記

「これもあれもあたしなの」っていう認める強さに、元気づけられました。(みっくす)/お会いするまで、緊張しっぱなし。お会いしたら、感動しっぱなし。(ネコムス目)/自意識からウンコから政治の話まで屈託なく話す姿、かっこよかった!(テツコ)/当日、うさぎさんには言えなかったんですが、友人が『ゲイとシングルマザーの会』発起人です。いい活動になることを応援しております(大塚)。/自分の外見に絶望するなら整形しちゃお、目の前にいる人はキレイだ、と思いました。しかし、かっこよかったです。(コミネ)

今回の貢ぎ物
『NOKA』のチョコレート
『NOKA』のチョコレート
甘いものがお好きなセンパイにはセレブが愛するラグジュアリーなチョコレートをチョイス。世界中から選ばれた最高級品質のカカオを使用したチョコは濃厚で麗しい味わい(の、はず!)。大人な女性にぴったり。
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BackNumber
おしパイ#11 鈴木砂羽センパイ
おしパイ#11 鈴木砂羽センパイ
「誰かに挑戦してるんじゃない、自分に挑戦しているんです。」
おしパイ#10 中村うさぎセンパイ
おしパイ#10 中村うさぎセンパイ
「誰かを頼ったり、救ったりしながら生きてもいい。」
おしパイ#9 まつゆう*センパイ
おしパイ#9 まつゆう*センパイ
「私は自分のことアクティブ・ニートだと思っています。」
おしパイ#8 本谷有希子センパイ
おしパイ#8 本谷有希子センパイ
「私にしか書けないものがあるかもしれない、私にしか書けないから書くっていうのがモチベーションです。」
おしパイ#7 喪服ちゃんセンパイ
おしパイ#7 喪服ちゃんセンパイ
「一生、社長的なことしか出来ないと思います。」
会ってみたい"おしパイ"のみなさま
椎名林檎 様、西原理恵子 様、平野レミ 様、よしもとばなな 様、加護亜依 様、ソニアパーク 様、滝川クリステル 様、永作博美 様、安野モヨコ 様、藤田志穂 様、一条ゆかり 様、中川翔子 様、山本モナ 様、桃井かおり 様、永谷亜矢子 様、Perfume 様、梨花 様、UA 様、YUKI 様、原田郁子 様、千葉麗子 様、瀬戸内寂聴 様、広末涼子 様、リアディゾン 様、YOU 様、益田ミリ 様、宮沢りえ 様、津森千里 様、大竹しのぶ 様、宮崎あおい 様、山田詠美 様、友近 様、狐野芙実子 様、IKKO 様、安藤優子 様、チャットモンチー 様、清水ミチコ 様、大宮エリー 様、沢尻エリカ 様、梅佳代 様、黒柳徹子 様、神田うの 様、金原ひとみ 様、綿矢りさ 様、ギャル曽根 様、菅野よう子 様、瀧波ユカリ 様、いくえみ綾 様、野沢雅子 様、桃井はるこ 様、フグ田サザエ 様、初音ミク 様、浜田ブリトニー 様、アンジェリーナジョリー 様、マドンナ 様、レディーガガ 様、女子寿司職人の方(順不同です☆)
インタビュー受けてもいいよ!というセンパイからの奇跡のご連絡をお待ちしております。

やってる人

イベリコ

新月生まれの牡羊座。中目黒在住。美容関連のライターを経て、広告会社に転職。現在修行中。ニット帽を愛用していたらドングリと呼ばれ、転じて「イベリコ」と…

テツコ

二重人格のAB型。乙女座。デザイナー。眼鏡のせいで一見しっかり者に間違われるが、めんどうくさがりで優柔不断で要領が悪い。体が丈夫なのと酒に強いことが自…

ネコムス目

大きな目がキョロキョロ。神出鬼没の関西生まれの東京女子っす。妖怪のくせに、ラテンな性格。趣味はライブに行くこと。あぁ、毎日がフジロックだったらいい…

大塚幸代(ライター)

デイリーポータルZ」「地球のココロ」で連載中です。
個人サイト「日々の凧あげ通信

小峰千佳(編集)

ファミレスとタクシー、この2つがあれば私の東京の夜は安泰。最近はバーでの1人飲みを覚えてしまったせいかハードボイルド傾向。お仕事はアウトローから正統派までさまざま。

"おしパイ" 進捗情報はブログ「東京女子風呂」で

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